命じられるまま、鏡は遠く離れた空間を繋ぐ。磨き上げられた表面に少女の姿が映し出された。『御無沙汰致しておりました、『永き者の寵を受ける御方』』 鏡の向こうで青い瞳の少女はスカートを摘み、完璧な一礼をする。されたほうでは、満足げな笑みをその赤い唇に載せた。「息災なようじゃの。アンジュ・アルティアート・クリスティン」 『第一王国』第八位王位継承者の名を正しく呼んで、彼女は鷹揚に頷いた。