「硝子の月」
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2007年10月31日(水) <夕刻> 瀬生曲

「して、今年もそなたが?」
『はい。よろしいでしょうか』
 二人にとっては当たり前のことなのであろう。端(はた)から聞けば説明の足りない会話が交わされる。
「愚問じゃの」
 『永き者の寵を受ける御方』は楽しそうにくつくつと笑った。そうして次に来るはずの少女の言葉を先回りして問い掛ける。
「それで? 今年は連れがいるのであろう?」
『はい』
 鏡の向こうのアンジュがにこりと笑って頷いた。


紗月 護 |MAILHomePage

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