「さて」 老王との会話を終え、彼女の視線はアンジュに向けられる。「アンジュ、『第一王国』建国祭のそなたとのお喋りは妾(わらわ)の楽しみじゃが、今年はそうとばかりも言ってはおれぬようじゃの」「おそれいります」 一国の名代としてこの場に立つ少女は優雅に一礼し、伴った人々を示すようにすっとさがった。