ウチの部署は、チームのマネージャーが感情の起伏の激しい子供のような奴、ということを除けば、まあなんというか年の近いメンバーが集まっているのと、先輩格の方々も皆穏やかな人達なので、職場環境としては悪くない。なので、仕事中のいろいろな話の中でもお互いに軽口を叩き合っている。
「のづさん、この決裁書、内容確認しておいていただきたいんですけど」 「了解、すぐ見るわ。で。確認し終わったらシュレッダーしておけばいいんでしょ」 ――程度の冗談は定番である。
「いつも、机で牛乳を飲むなってのづさんに怒られてるんで――(俺が牛乳嫌いだから)」 「おお」 「今日は、いつもより小さいサイズの牛乳を買ってきました」
「のづさんが作った資料、どこにしまってありますか?」 「ごめん、それだけは言えないんだよ、ごめん……」
お互いに忙しいときにこういう冗談を放たれると殺意を覚えることもあるが、まあ、楽しい。
「会議資料、これを完成版ってことにしようと思います。のづさん、いいですか?」 「ああ、さっき目を通したよ。いいんじゃないかな」 「ありがとうございます」 「ついでに、そのファイル、“開発”の“開”の字を一括置き換えで“猫”に換えておいたから」 「やめてくださいよ!」
これは、一度本当にやってみたいと思っている。
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