天使のながばなし
maki



 お天道様

彼女と会ったのはたった2回だけ。
彼女はアメリカにいます。
こちらのじめじめした猛暑とは違う、
あっちの夏はいいよ、と彼女は言ってたなぁ。

最初に会ったのは、バイト中。
この日のことは、以前日記に書いたなぁ。
急遽2日だけ友達のお店を手伝うことになって、
その最後の日、閉店まぎわだった。

太陽のような笑顔の彼女は、ガラスのように透明でもあった。
その話しやすい雰囲気に妙にあれこれすすめてしまったけど、
楽しそうに帽子をかぶったり、ピンをつけたりしてくれた。

さんざん試したころ、彼女は、
「元気そうに見えるけど、膠原病なんだよ〜」って明るく一言。
「え!?私も。リウマチだよ〜」って変な共感。

「見えないね〜」「見えないね〜」って、なんだか盛り上がっちゃって、
あと何日かこっちにいるから、また会おうって話に。
連絡先を交換して、かわいいハンチングを買って帰って行った。

発病してから、初めて1日中バイトして、
やっぱり倒れそうになってたわたしのこころとからだは一気に潤った。

それから数日後、
彼女のおすすめの岐阜のコーヒーがおいしいお店へ行って、
おかわりしながら、何時間も話した。
本当は調子が悪そうだったけど、それでもいつも笑顔。
もっとつらそうにしていいんだよって言いたくなるくらい、まぶしい笑顔。
傘を置いてきてしまった。あれから一度も行ってない。

彼女が帰ってしまうまで、
調子を崩した彼女に病院など紹介したりで何度か連絡を取った。
その頃、私自身つらい決断があって、
飛び立つ前の彼女と電話で話して、元気づけてもらった。
今でも覚えてる。
「まきちゃん、太陽にあたりなよ。太陽にあたりぃよ」って。
疲れたときや、もやもやしてる時は、いっつもその言葉を思い出して、
私は太陽のエネルギーをもらう。
彼女にありがとう〜って言いながら。

その後も忘れた頃に(全然忘れてないけど)ぽそっとつぶやきあう。
こないだ、アドレス変えましたってメールに返事を書いた。
彼女からの返信は、長文だった。
こんなにメールを打つの、大変だったと思う。
やっぱり、ぎりぎりの辛さをたたえた明るい笑顔の言葉が並んでた。

まきちゃんとゆう人がいた、どっかでがんばってる、
思い出すと支えになってるかも、なんて。
存在を認めてくれるとゆうことが泣けるほど嬉しい反面、
こんなに削ぎ落とされたところまで、
心がむき出しになっていることがたまらなくなった。

泣けてきた。
なんだかとてもつらくなって、
彼女の助けになりたいと思ったけど、
桜の写真を送ることしかできなかった。

ある日、またメールチェックできた時に、
少しでも心がほっとしたらいいと思って。
衝動的に送ってしまったけど、本当によかったんだろうかとも思う。

透き通るようなキラキラした笑顔を思い出す。
彼女の存在が、私を勇気づける。




お天道様、彼女に健康を与えてください。

2008年04月30日(水)
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