航宙日誌
『革命戦記』と輝&Ark☆の珍道中?

2014年03月27日(木) お気にすぎて……

 ダメなこともある、と。
 ちょっとばかし、自分の反応に驚いています。ドラマ『隠蔽捜査』――本当に楽しみにしてたんです。楽しんでたんですよ、初めは★
 でも、どーも雲行きが怪しいと……実をいえば、既に第三話(原作は二巻の『果断』で、傑作)では、もう感じちゃってて――原因は開始当初の日誌にも書いた某審議官殿です。
 これまで、原作通りでないドラマや映画の展開なんて、幾らでも見てきました。表現方法や手法が違うんだから――大抵はそれがスパイスになってるもんです。まぁ、たまには「え?」と思う展開がなかったわけじゃなかったけど……。
 ドラマ・オリジナルの人物を配置したのは原作の何人かの役割を集約させるためかな、と考えられるけど、その結果、全ての負の面までが「彼」に集中してしまっている、と。
 でもね、他の人物の役割を振るにしても、その肝心の役割自体が改変されているのが受け入れられない。
 たとえば、第一部の警察庁刑事局の坂上は自身の判断ではなく、「彼」の判断を押しつけられた形で左遷されてしまう。
 第三部の警備部長の藤本が最終的に竜崎を指名したのも、原作では期待をかけた上での『試し』だったのに、ドラマだと、「彼」に踊らされただけで、当人もまるで、上昇志向の強い、競争相手は蹴落とすだけ(と台詞では言っている)のような人物になってしまっている。(後編で少しは変わったのかな。でも、もう確かめる気にもなれない)

 どうにも、観ていられなくなって、第三部の後編から、視聴を止めてしまいました。いや、後編くらいは一応、見届けないと、というつもりはあったんですよ。でも、結局これ以上、失望したくないという気持ちが強くてね……。
 もう、最後まで観る気はなかったんだけど――カラフルな奴らの“眩くて、激突”の人が出演すると知ってしまい……悩んだ末に、視聴再開☆
 …………まぁ、刑事な“冒険者で勇者”な人を見られたのは良しとしましょう。ても、それだけだったな。やっぱ、見るんじゃなかったと。

 その最終章──警視庁と神奈川県警の対立は結構、他の作品でも扱われる題材。でもね、幾ら応援の事案でも現在進行中の「誘拐」の捜査会議の最中に、いきなりテレビつけて、裁判の結果に歓声を上げるなんて――しかも、それが責任ある立場の県警本部の捜査一課長なんて、ありえんでしょう。あのシーンで、どれほど脱力したか。
 未視聴部分、絶対、見ないと決めましたよ。特に第四部『転迷』は『果断』に並び、好きな話なのでね。テレビ欄の解説だけでも、またぞろ、「彼」が関わってるのは解ってたし。第五部『宰領』を見てしまったから、大体の経緯と結論も知っちゃってるし。

 上層部の対立とか思惑とか――それを語るのがこの『隠蔽捜査』ではなかったはずです。この作品は、あくまでも、『愚直なまでに正論を貫き通す』キャリアである竜崎と、彼に多少なりとも影響される人々の物語であるはずです。
 ところが、ドラマ化による「彼」の存在はその一点を揺るがしている。勿論、誰も彼もが竜崎に感化されるわけではないし、対立したままに終わる人がいてもいい。
 しかし、原作の人物の役割を負っているはずなのに、本来とは全く違う方向に「彼」が進むのは、少なくとも、輝には受け入れられなかった。
 見てはいない『転迷』だが、「彼」の原作での姿は折口という人物。折口は自分の行いの結果を受け止め、忘れぬようにと努めることを心に留め置き、今後もキャリアとして、務めていく。
 『国家公務員』の何たるかを自らに、今一度、問いかけ、問い質すような、その際の竜崎との会話が秀逸なんですよ。警察物にあっては派手なアクションとかがあるわけでもないシーンです。でも、それだけの重みを感じることができる会話でした。
 ドラマでも一応、折口という名の人物はいるようですが、その役割は「彼」が負っているはずだから、そんなシーンもないんでしょうね。「彼」はどうやら、失脚して、監察下に置かれたらしいけど、結局、『宰領』で、巧妙に立ち回り、左遷されるどころか、次のポストを得てしまう、と。
 この展開は気持ち悪くて、仕方がなかった。「彼」が話を持ちかける官房長も原作で殆ど出てこない。全作を確認してはいないけど、名前もなかったんじゃなかったかなぁ。ともかく、「彼」の後始末をつけるためだけに用意されたのだから、そんな人物にしか描かれないのも無論といえば、無論だけどね。
 おまけに、「彼」が口にした「国家公務員が何たら」という竜崎がよく使う台詞も空々しさの余りに、極め付きに寒気がするという代物に……。
 下手に、生瀬さんという実力派だったばかりに、存在感がありすぎ、悪目立ちしてしまったな、という感じ。
 好きな作品のドラマ化なのに、二度と見る気にもなれないというのは残念極まりない。

 まぁ、唯一の救いは――戸高君はやっぱり、良かったよ☆ 署長もまぁ、署長自身は決して、悪くはなかったんだけどね。
 でも、伊丹と飲みに行かせることはなかったね。伊丹が幼馴染みだからと、纏わりついて、竜崎が煩そうにあしらう……あの二人は、そのくらいの距離感が丁度いいんじゃないかな。


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輝−Hikaru− [MAIL] [HOMEPAGE]

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