オトナの恋愛考
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夜明け前とても鮮明な夢をみた。
私はひろに手を引かれて都会の知らないビルに入っていった。 階段を登っていくと広々としたフロアに出た。 そこは淫猥で淫靡な空間が広がっていた。
毒々しいネオンに彩られた世界。 行き交う人々は色街の住人たち。 私たちは場末の見窄らしいホテルのエントランスの前まで行った。 私はそのドアを入っていくものだと思っていたが ひろが踵を返しその横にあったエレベーターに向かった。
ああ、やめたんだ。どこにいくのだろう。 そう思っているうちに着いたのは緑が広がるビルの屋上の庭園だった。 柔らかな芝生に私たちは微笑みながら寝転んだ。 戯れあいながら抱き合いながら。
ここで私たちは愛し合うのかな。 良いかもしれないな。 でも嫌。誰かに見られる。そっとひろの腕を解こうとしたが さらに力を入れて抱きしめられた。
なぜかそこで目が覚めた。時計をみると4時前だった。 なぜあんな夢をみたのだろうか。
いまだに続いている終わりがやがては訪れる私たちの物語。
あの楽園は夢に見る二人だけの桃源郷だったのか。
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