A Thousand Blessings
2004年1月〜最新|ひとつ前に戻る|ひとつ先に進む
「上原ひろみ/スパイラル・ツアー・エディション」
上原ひろみの前作は酷評したが、 このアルバムは素晴らしい。 際立った個性はないが、このアルバムで聴かれるピアノの音色は 相当に、美しい。キレイという意味ではなく、音楽の美感に 満ち溢れていて、音それ自体に希望があり、憧れがあり、夢がある。 非常に前向きで明確な目的意識があり、また演奏家としての鍛練も 確実に積み重ねてきているというのが音から感じられる。 何よりも、他を圧倒するピアニズムをこれでもか!と 全面に打ち出してこなくなったのが、成長の証と言えるだろう。 これを聴く限り、彼女の今後には十分期待できる。 いつまでも憧れのピアニストはチック・コリアです、なんていうことも 言わなくなるだろう。
響 一朗
|