空虚。
しずく。



 兄弟。

自分の中の存在が、揺らぐ。
逃げ込んでしまいたくなる。
それでも、生きたいと願う。
同じことを、何度も繰り返して。
同じ言葉で、打ち消し続けた。

身体が、自分ではないようだった。
内側から、何かが上がってくるように感じた。
突っ立って、手を伸ばすと、微かな声だけが漏れた。
そのまま倒れこんで、首を絞めた。
貼り付けたかのように動かなかった。
頭に血が昇る。キン、と音が響く。
息が出来なくて、苦しい。でも。
「生きたい」
そう、願った。

…だから私は、生きたいのだと思えた。
でも、すぐにそれは打ち消されてしまった。

布団に突っ伏して、否定の言葉を吐き続けた。
自分の意志も、正解も、わからなかったけれど、
ただひたすらに、「違う」それだけを言い続けた。


今は、落ち着いている。
でも、眠る時、起きた時、
動いている時、仕事をこなしている時、
…独りに戻った時。

そのすべてに、これがついてまわる。
今までなら、何も考えずに打ち込めるものがあったのに。

終わってしまいたい。でも、生きたい。
選ぶ事も、許されない。ただ、この不安定な間を彷徨う、それだけしか。
出来ない。

「逢いたいよ…」

何かが変わる。そんな期待を抱きながら。
あなたを傷付ける事を、気付かれる事を恐れている。

もう…見るのは、嫌だ…

2005年11月28日(月)
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