日々雑感
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2005年03月29日(火) 川の向こう

夢の中に繰り返し現れる風景というのがある。

自分の場合、ある川の景色がそうである。川幅はそんなに広くなく、向こう岸が見えるほどで、橋も架かっている。そして海に近い。

昨日もまた、その川の夢を見る。日も暮れて辺りは暗く、川岸には灯りがともっている。川面に何隻も小舟が浮かび、何かのお祭りなのだろうか、人の声と音楽とで賑やかな中、自分も古ぼけた小舟を出し、向こう岸へ渡ろうとしている。

泳いで渡ろうとしたこともあったし、増水した様子を高台から眺めていたこともあった。夢によって少しずつ違うけれども、確かに同じ場所である。湖から海へと注ぐ水路のそばで育ったのだが、きっとそこが基本形になっているのだろう。

ずっと目にしていた風景というのは、無意識の底に沈んで、何か象徴的な意味を帯びるようになるのかもしれない。そういえば、ある親戚が病気で危ない状態となったとき、「三途の川」のかわりに出てきたのは、いつも通っていた峠道だったらしい。

それにしても、夢の途中で起こされると、その後がもどかしい。消化不良というか、不完全燃焼というか。今日も電話にて起こされた。私は、ちゃんと向こう岸へ渡れたのだろうか。


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