日々雑感
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2005年03月23日(水) |
とおくへいっちゃうって |
阪田寛夫さんが亡くなった。作詞家にして芥川賞作家。享年79歳。ニュースでは「さっちゃん」の作詞家として紹介されていたけれども、「ねこふんじゃった」も、「おなかとせなかが、くっつくぞ」の「おなかのへるうた」も、「うたえバンバン」も阪田さんの詞だ。他に「エーデルワイス」の日本語詞なども。
小説のほうは一作も読んだことはないが、庄野潤三氏の作品に登場する「親友」としての阪田さんならば、よく知っていた。何でもないことが何でもないままに流れてゆく日々の中で(その危うさ、かけがえのなさ)、その幸福な風景の中にいつも阪田さんがいた。だからこそ、訃報を聞いて、真っ先に庄野さんのことが浮かんだのだ。
「僕はいつも尊敬していました。(1950年代に)大阪の民放の同僚で、机を並べていた一番親しい友人。控えめな性格でした。今は一言、よくしてくれてありがとうと言いたい」
昨日まで当たり前のようにそこにいた人がいなくなったとき、ぽっかりと開いたその穴を前に何とかできるほど、いつか強くなれるだろうか。いつかは。
「さっちゃん」の3番の歌詞を思い出す。
さっちゃんがね とおくへいっちゃうって ほんとかな だけど ちっちゃいから ぼくのことわすれて しまうだろ さびしいな さっちゃん 合掌。
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