「僕が寂しがっているほど、君も寂しがっていますか。」

一昨日の夜
夢を観た。

仕事場に知らない女からTELがあって
「あんたのせいで彼は仕事辞めたのよ。
 借金まであるし。
 彼と別れてよ。」
と言われた。
私は其の女に恐る恐る聞いた。
「あの、一体どなたの話をされているのでしょうか。」
女は答えた。
奴の名前を言った。
私が愕然としている間に女からのTELは切れていた。
私は携帯で奴にTELしてみる。
中々繋がらない。
やっと出たと思って問い質してみても
途中で何度もTELが切れてしまう。
繋がっていない筈のTELに耳を澄ませていると
何故か向こうのやり取りが聞こえてくる。
「言い訳しないでよ。」
女が声をあげている。
奴の溜息が聞こえる。
私の声は届かない。
其処で現実世界の私が
此れは夢だとやっと気付く。
戻らなきゃ。
私は重い瞼を無理矢理開けた。

目覚めても気分が悪かった。
夢の中で
女とはTELでのやり取りだった筈なのに
何故か私には其の姿が見えていた。
黒くて長い髪。
恐らく私よりも年下。
若くて気が強い感じ。
美人だったような気がする。
恐ろしく生生しい感覚。
私の直ぐ傍に居るような。
笑っている。
勝ち誇ったような笑い。
鳥肌が立つ。
気分が悪い。
怖い。
思わず枕元の携帯を手に取り
奴にメールしてしまった。
とても不吉な夢を観た事と
でも私の気持ちは変わらず
奴が好きだという事実を伝えた。
其れでも未だ怖くて
眠かったけれど
眠ってしまったらまたあの女が出てくるような気がして
誰かに助けを求めようと
私はベッドから抜け出した。

兄に此の夢の話をした。
兄の分析では
其の女は私自身。
私のコンプレックスを具現化したもので
其れと現在の不安(他に女が居るかもしれないという)
を結び付けてしまったのだろうと。
確かにそうかもしれない。
でも。
あの生生しさは。
現在まで感じた事の無い恐怖だ。

眼を閉じても其の女の姿が克明に浮かんでくる。
私は自分の部屋に戻り
女に向かって叫んだ。

「こっち来るな。出て行け。
 私は負けない。絶対に。
 奴の恋人はこの私よ。」

女の姿は次第に薄れていった。

暫くして奴からメールがきた。
私を心配しているらしかった。
はっきりとした言葉では無く
遠まわしな言い方だったけれど
私はそのちっぽけな優しさで
また立ち上がれた。

私は負けない。
絶対に。
2005年09月28日(水)

かつて・・。 / 桃色少女

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