2005年07月27日(水) |
「NINAGAWA十二夜」 |
蜷川幸雄初の歌舞伎演出。シェイクスピアの翻案ものを歌舞伎座でやろうという試み、私は好きです。 幕が開くと一面鏡張り。客席が嫌でも映し出される。そして・・・一転して桜の大木。映画やテレビでも同じ事を言われているけど「いかに観客を舞台に引きつけるか」のお手本のような幕開き。「気絶するくらい美しい舞台装置を」とは蜷川氏の言葉。観客にとって舞台を観て気絶できたら本望なんだろうな。 今までの歌舞伎にないような色彩と照明。「十二夜」はコメディーに分類されるけど、取りようによっては恋愛もの、そしてこの世の知識人をあざ笑う皮肉も込められた作品。どう受け取るかは観客次第。この自由さも楽しい。 正直言って、繊細なセリフとは裏腹に、ものすごく強引な展開になりがちなシェイクスピア作品と歌舞伎は相性がいいと思った。歌舞伎も「え?」みたいな展開の作品あるしね。これに歌舞伎役者の安定した演技力が加わったら最強。 来年と言わず、近い将来また新しい試みを期待しています。
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