闇鍋雑記帳
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こんにちは。おかね坊でございます。
今日は、夫がNHK放送技術研究所の一般公開に行きたいとの事でしたので、世田谷まで行って参りました。 お弁当を作り、少々余裕がありそうだったので、ベーグルも作り、おやつやお茶を準備し、お風呂の準備もして出掛けました。
環状2号から第三京浜へ行き、環八に入って世田谷まで。 何だか世田谷の人たちは、歩きがすんごくのそい(遅い)です。 夫曰く「インド人みてー。」だそうですが、確かに、車が来ようが避ける事もなくタラタラ歩く姿は、ビックリものでございます。 た、確かに、道交法では、歩行者は全てに於いて優先なんですけれどね・・・(汗) でも、さすがにこれは無いでしょうよ(涙) 酷すぎます〜。
放送技研に到着し、立派なエントランスを抜けて行くと、様々なブースがあります。 特に、スーパーハイビジョン関係、地上デジタル放送関係のものが多く、実用化するかどうかは解らないけれども、技術として確立しているものを公開していました。 ハイビジョンの大画面を使った札幌中心部からの中継などもありましたが、画像中心はかなり鮮明な画像であるにも拘わらず、隅の方に行くに従って、像が不鮮明になって参ります。 カメラレンズの性能の限界までもが出てしまうとは夫の弁。 でも、これだけ像が鮮明に出てしまうと、女優さんなんかは可哀想でございます。 毛穴やたるみなどの肌年齢は確実に出てしまいますものね。 修正しまくりで有名な某女性歌手の如く、映ると同時にデジタル修正される技術(バーチャル化粧システム)が確立されれば良いんじゃないかなどと、ブラックジョークまで飛ぶ始末でございました。 でも、映像はさすがに臨場感溢れるものであり、手を伸ばせばすぐに触れるのではないかと錯覚するくらいに鮮明なものでございました。
今回見学した放送技研の一般公開は、正直、ファミリー向けでは無いと感じました。 子供の絶対数が少ないのも、そのせいなのかなと思いました。 「一般公開」と銘打つならば、幅広い年齢層や様々な教育水準の方が来る事をもっと考慮すべきだと個人的には思います。 「親」としての観点から見ると、この一般公開は、ハッキリ言ってJAMSTECの一般公開の足下にも及びません。 「子供が楽しめる」展示が少なすぎるし、難しすぎるのです。 ただ、大人としての観点からは、かなり興味深い事が多かったです。 NHK教育の「ひみつのちからんど」のモグライアンの口の動きを、人の喋る声とシンクロさせ、キーボードで動きや表情に変化を付けるというのは、プニプニも喜んでおりました。 CGと実写とをシンクロさせる技術は、ウゴウゴルーガでもありましたが、夫がそれを質問すると、同じようなものでがあるが、技術が違うとの事。 現在はもっともっと進んでいるとのことでした。そりゃ、20年前の日本初の事と比較すれば、進んでいるに違いないですわ・・・(汗) あちらは、決まった事しかできないけれど、こちらは臨機応変に対応可能だという事でございます。 後は、再生映像の喋りを早くしたり遅くしたりするという技術もございます。 生放送では大変そうですねと行ったら、遅く出来ない事も無いとは言っておりました。 喋りと喋りの間を利用して時間調整するそうですが、早くは出来ないとの事。 語学の勉強にはもってこいだと仰っておりました。確かに(笑)
後は、記念写真を撮るコーナーなどもありましたが、ハイビジョンの視聴の他、子供向けはそれくらいで、後はかなりマニアックなもの。 これを一般の方に分かるように説明するには、相当なご労苦があるかとは思いますが、もっともっと噛み砕いて、子供達にも解りやすくすると良いのにな・・・というのが本音でございます。 プニプニは飽きてしまって「早く帰りたい」を連発しておりました。
ただ、これだけ放送技術が確立していても、災害などでライフラインが停止した時に、ここまで開発された技術をどのように反映させるのか。それが最大の疑問でした。 ワンセグなどの端末で、必要な情報を収集しようとしても、中継局が無くなれば必然的に情報が遮断されてしまうし、衛星を使ったとしても、やはり中継局が必要でしょうし、そういった時に、「見せる」為のデジタル技術や、インターネットを利用した通信手段ばかりに力を入れてもどうよと思ってしまうのでございます。 アナログ放送も手段として絶対に残して欲しいと思うのですが、そこまで考えているのかどうか・・・。 また、ここまで美しい映像が、どうして必要なのか。 その必然性も解らなかったのでございます。 よしんば実用化されたとして、最初は物珍しくても、日々見ているうちに、それに慣れてしまう。そして、より鮮明な画像を求めるのは目に見えております。 それだからこそ、新たに技術開発をしていくのは解るのですが、そこに「技術者」が求めるものは何なのかが見えてきませんでした。 ある意味、自己満足というか自画自賛の、一言足りないがために難解になってしまった展示内容にガッカリしてしまいました。 正直、「来年も来たい」と思う人が、どれだけいるのかどうかが疑問でございます・・・。
さて、その後、夫にお願いして、世田谷文学館まで行って参りました。 ここは、駐車場が館内地下にあり、エレベータ式になっておりました。 車ごと、エレベータに入って地階のボタンを押すと下がっていき、到着すると、転写台のように回転を始め、回転が停まるとドアが開き、駐車場の入口が目の前に開けて参ります。 そして、そこで駐車券になる紙を受取り、そこに受付でスタンプを押して貰うと、駐車券になるとの事でございました。おお〜! でも、駐車場はがら空き。お客、来ているのかしらと心配になりました。
今日、世田谷文学館に行った最大の目的は、常設展示のムットーニのからくりを見るためでございます。 最近では常設展示をしている場所が増えたようですが、10数年前の本では、鳥取わらべ館か世田谷文学館しか無いとの事でしたので、ずっと見たかったのでございます。 でも、世田谷なんてなかなか行きませんから、いつか見に行けたらいいなと思っていたのでございます。
行ってすぐにムットーニのからくり劇場が始まり、ラッキーでございました。 2時半からの開演は、村上春樹の「眠り」、ブラッドベリの「万華鏡」のイメージををアレンジした「アローン・ランデブー」、夏目漱石の夢十夜第七話より「漂流者」でございます。 夫曰く、おそらくシーケンサー制御をしているのだろうとの事で、SSR(ソリッドステートリレー)とPICを使えば、こういったカチカチした音もなくなるし、光のグラデーションも、もっとバリエーションに富んだものになるだろうとの事でございました。 ワタクシは電気の知識がないので、そういった詳しい事はよく解りませんが、夫も色んな意味で結構楽しんだようでございました。 1時間後には、残る3つも上演するとの事なので、館外に出てプニ坊におやつを食べさせたり、隣接する他の展示を見たりしておりました。 寺山修司の直筆原稿があったのですが、すごく可愛らしい字を書くのでビックリしてしまいました。 「田園に死す」等のおどろおどろしいイメージと相当かけ離れていて、何だか微笑ましかったです。 そして、残る3つの上演を見ましたが、萩原朔太郎の「猫町」、海野十三の「月世界探険記」、中島敦の「山月記」でございました。 どれも面白いと思ったのですが、先の3つの方がなかなかインパクトがあって良かったです。 特に、漱石の漂流者などは、彼自身、病気や神経衰弱で何度も死にそうになったという経緯もあり、死に直面した人間の心理を上手く書いているなぁと思いました。 また、それを表現するムットーニの感性がとても魅力的でした。
山月記も、救いようの無い話ではありますが、カフカの変身よりはマシでございます。 でも、おどろおどろしい話には違いないので、プニプニが怖がっておりました。うむ。子供には怖いでしょうよ。 動きも抑揚が無いので、子供にはきっと面白くないかもしれません・・・。
メインとなる人物は、多分、それぞれの作者を投影したであろうという容姿をしており、あ、何となく漱石っぽいとか、朔太郎っぽい雰囲気があります。 彼なりに理解したその小説の世界の、言葉では表せない部分を補っているような気がしました。 10年越しの、ムットーニの世界を堪能出来て満足でしたが、夫が5月の終わりから八王子市夢美術館で行われるムットーニ展のチラシを見付け、また行こうと言ってくれました。 どうやら夫も気に入ったようでございます。良かった〜♪
その後、二階の松本清張展を見に行って参りました。 最初は交代で行こうという事で、ワタクシはプニプニに絵本を読んでやっていたのですが、プニ坊が「おとうさんと一緒にいたい」とのことなので、彼を二階に連れて行ってやりました。 子連れなので、展示はざっと見ただけでしたが、この人、めちゃくちゃ達筆でございます。 字の上手い下手は、ワタクシあまりよく解らないし別段気にもしないのですが、こんなに美しいと思う字はなかなかございません。 下手な書道家よりも上手いんじゃないかと思ったくらいでございます。 しかも、絵心もございます。 色紙に描かれた自画像なんて、ものすごくそっくり!! 見所が沢山あるようでしたが、プニ連れではなかなかゆっくり見る事も出来ませんでした。残念・・・。 後で、世田谷文学館の学芸員の方に、世田谷文学館発行の「ムットーニのからくり書物」の在庫を尋ねたところ、もう無いとの事。 一時期ブームになりましたから、当然ですよねぇ・・・。
さて、その後、ふくちゃんさんのお店に寄せて戴き、お茶を一服。 賑やかでございました。 プニ坊は帰りに寝てしまいましたので、楽でございました。 家に戻ってパソコンを点けると、盧武鉉自殺の報が入っていてビックリ。 簡単な食事を作って夫と二人で食べ、日頃お世話になっているサイト「日本の古本屋」にて、「ムットーニのからくり書物」を見付けたので購入。 これ、以前も探したのですが、確か無かったのですよね・・・。 そんなわけで、ちょっと奮発してしまいました。届くのが楽しみでございます♪ ホントはDVDも欲しいのですが、それはまた後日という事で・・・。
夫が「世田谷文学館は予想以上に良かった。また行きたい!」と言ってくれたので、無理をお願いした甲斐があったなと、一人ほくそ笑んでおります(笑)
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