即興詩置き場。

2005年03月07日(月) 動物園 2



動物園 2


<雪見カンガルー>

どうしても雪の白に溶け合わない
自分の体を恨めしく見下ろすと
袋の中で子供たちが
凍えながら見上げている



<嫌がるラクダ>

ラクダのコブは脱着可能だが
ラクダが嫌がるので外されることはない
ラクダはコブを欲しがっている
できるなら
100個くらい
どんなに小さな
コブでもいいから



<武装する象>

象の武器は
長い鼻でもなく
鋭い牙でもなく
重い足でもなく
あの、つぶらな瞳だ
この瞳によって
象に逆らうことはできない



<錯乱フラミンゴ>

こんなに集まらなくてもいいだろうと
誰もが思っている
群れるのは嫌いだが
一人では生きていけない
そのジレンマで
バシャバシャ水面を叩く
誰もが錯乱している



<考える猿>

我々は進化する
すべてを見て、すべてを語り、すべてを聞く
芋も洗った、温泉にも入った
だが、パンツはまだ履くべきでない



<サイレントサイ>

眠りにつくものと起き上がるものが交差する
陽が昇る直前のわずかな時間に
今日はどれだけの生き物が死んだのか
サイは瞑想する
この地には例外が多すぎて
死んだものと生き残ったものの数が合わない
懐かしのサバンナ
死者はすべて生者の血肉
苛立ちながら瞑想を止め
サイは静かに
突進を始める
例外の象徴
檻に向かって




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