動物園 2
<雪見カンガルー>
どうしても雪の白に溶け合わない 自分の体を恨めしく見下ろすと 袋の中で子供たちが 凍えながら見上げている
<嫌がるラクダ>
ラクダのコブは脱着可能だが ラクダが嫌がるので外されることはない ラクダはコブを欲しがっている できるなら 100個くらい どんなに小さな コブでもいいから
<武装する象>
象の武器は 長い鼻でもなく 鋭い牙でもなく 重い足でもなく あの、つぶらな瞳だ この瞳によって 象に逆らうことはできない
<錯乱フラミンゴ>
こんなに集まらなくてもいいだろうと 誰もが思っている 群れるのは嫌いだが 一人では生きていけない そのジレンマで バシャバシャ水面を叩く 誰もが錯乱している
<考える猿>
我々は進化する すべてを見て、すべてを語り、すべてを聞く 芋も洗った、温泉にも入った だが、パンツはまだ履くべきでない
<サイレントサイ>
眠りにつくものと起き上がるものが交差する 陽が昇る直前のわずかな時間に 今日はどれだけの生き物が死んだのか サイは瞑想する この地には例外が多すぎて 死んだものと生き残ったものの数が合わない 懐かしのサバンナ 死者はすべて生者の血肉 苛立ちながら瞑想を止め サイは静かに 突進を始める 例外の象徴 檻に向かって
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