とりあえず死ぬのは簡単だ。 人知れず死ぬ奴もいるし、 惜しまれて死ぬ奴もいるし、 人知れず惜しまれて死ぬ奴もいる。
「死ぬ」ということと、「ご飯を食べる」ということの、 違いがよくわかっていない。俺には。 一緒にご飯を食べたくても一緒に食べられない人は、 山ほどいる。むしろ一緒に食べられる人のほうが少ない。 生きている知り合いより死んだ知り合いの方が多くなるよ。そのうち。 そしてそのことに抵抗はない。単なる統計だ。 死ぬ奴は死ぬ。死にたくなくても生きていたくなくても、 死ぬ奴は死んで、そして、みんな死ぬのだ。 そこに何かを求めることが、俺にはよくわからない。 呼吸するように、人は死ぬのに。
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