先日、彼の人が体を壊して入院した。 手術をしたという。 どこをどう、などということは話さない人であることは分かっている。 分かったところで何も出来ないことも分かっている。
私たちはここのところ、お互いの姿を見ていない。 彼の人はいま、痛みを伴っているのだろうか。
久方ぶりの彼の人からの連絡は、手術をする前の週であった。 色々思うところがあったのだろう。 手術など、心細くもあったのだろう。
付き合いが長くなれば色々あったところで何も不思議なことではないのだが、 お互いそういう年になったのだな、と改めて思う。
彼の人とは不思議な距離感を保ったまま、もう10余年の付き合いである。
手術を終えて多少は体調が戻りつつあるからなのか。 あるいは私の何かを察知したのか。 今朝がた山ほどメールが来た。
そう言えばそう。 いつもそう。 何かあると察知したように連絡を寄越す。
彼の人には私の姿が見えているのだろうか。 私には見えていないのに。
拘束された女に欲情はするが、拘束する行為には興味がないと言う。 であれば私が自らを拘束して彼の人に投げ出そう。
体調が戻ったら叱りに来るだろうか。
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