アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2017年08月21日(月) 予行練習

他の人にとって「身内」というのは信用できるものなのであろうか。
私にとっては身内ほど信用できないものはない。

何故こうなってしまったのであろう。
問うまでもない。
幾つかの積み重ねでこうなったのである。

以前、こんな風に言われたことがある。
「お前は愛されたことがないから、『愛』が分からないのだ」

確かにそうなのであろうが、にしても随分な言われようではないだろうか。
私は恐らく一生この言葉を忘れないであろう。
そして恐らく一生、愛がどのようなものなのか
分からないままなのであろう。


けれど誰にも愛を感じないかというと、そうでもないらしい。
先日来の彼。
十年ぶりの彼とも言う。
「ぽっかり」とした空白は今やどうでも良くなってしまっている。
残念なことに、再来年までの彼とも言う。

この秋以降、私は幾度か泊りがけで西へ行く可能性が出てきている。
一度につき一週間ほど東京を留守にすることになる。

夜半、彼と「近くにいない」という距離感の話になった。

まったく連絡が取れなくなる地へ行くわけでもあるまいし、
そもそも十年も音沙汰なしだったのに何を今更、と思ったのだが、
先週末、彼が帰省することになって自分の中の何かがざわついた。


なるほど。
であれば。

予行練習をしよう。
再来年の春、彼と別れる予行練習をしよう。
彼が東京を離れるたび、繰り返し繰り返し。

何度も繰り返したら辛い思いに耐えられるようになるであろうか。
今のうちにたくさん涙を流しておいたら、
再来年の春に流す涙は少なくて済むであろうか。

愛がどんなものかは分からない。
別れがどんなものかは分かっている。

繰り返し繰り返し。
予行練習をしておこう。




〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜
愛してくれる?

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麗香@夏野空 [MAIL] [MILK PITCHER]
 
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