旧友に会う。中学時の同級生で、忘年会というか、プチ同窓会というか。私が――多分、二十数年の人生で唯一 つるんでいた 時期の、同胞とでも言おうか。私だけは色々と都合があって、或いは毛色が違ってか、会うのは成人式以来だ。何と無く――避けていたのは、恐らく私の方だろう。彼らの方でもそうだったのかも知れないけれども、知る術は無い。 地元で、イタリアンの店に。其れから私にとっては中学以来となるゲーセンへ。耳鳴りが収まらない感覚。然し、皆は慣れているようだった。……驚くべきことか、或いは当たり前の事か。 クッションをひとつ、貰った。
避けてきたのは私の方。中学卒業からは年月も経って、其の間にも様々なことがあって――私だけでなく彼らにも色々な経験があって――私は旧友に対して、同胞に対して、其れらに対する表現方法が解らなかったのかも知れない。少なくとも、恐れてはいた。私は純粋に怖かった。でも――若しかしたらもう大丈夫かも知れない。そんな風に、思ったのは何故だろう。まだ、或る種の恐怖は拭い切れていないけれども。 羨ましい、と思う。私は大学生で、まだ学生の身分に甘んじようとしているのかも知れない。彼らは、既に働いていたり、これから働こうとしていたり、色々だけれども。遊ぶときに遊べるという当たり前の事が出来る――其れが、羨ましい。今の私には出来ないことだ。 私は、唯、逃げたい。
|