君に名を呼ばれると指先が吐息をかき混ぜるように頼りなく、上下した。君を見つけると美しさの前で立ち止まり転がる涙と、笑みを待った。息を潜め 欲を潜め鼓動の速さに 苛立って仕舞い込んだこと失くしてしまった声繋がれていた銀の鎖は何処にもないから君との「さよなら」を撫でて潰して。最後の「さよなら」を撫でて潰して。