一年に何度か、どうしても眠れない夜がある。過去や未来、感情や記憶が、過剰に渦を巻き、どこにもたどり着かないまま遠くへ押し流される。危険な時間だ。暖かなベッドの中でやり過ごせたら、と思うけれど、なかなか難しい。潔く起き上がって、そのすべてを押し殺す。大人になるってこういうことだとおもう。