愚者
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高校野球も終わり、夏の終わりが近づいてきた。 「精一杯やったから悔いはありません。」 この時期に必ず聞く言葉だが、真実ではないと思う。
スポーツをやっていた人なら、それもかなり入れ込んでいた人なら この意見が分かると思っている。 血の滲むような努力、毎日の積み重ねを発揮しても 人間の差で勝ち負けが決まる残酷な瞬間である。
「悔いが無い」と言うくせに、何故涙が止まらないのだろう? 晴れ晴れとした顔で「悔いが無い」という人を見たことはあまりない。 私自身も全力を尽くして負けたとき、悔しくて仕方が無かった。 実力を出せなくて悔しい思いをしたこともある。 ただ、そのときの悔しさは後々まで残らない。
運動、勉強、恋愛、全てに於いて一生懸命になればなるほど 後悔し、それが未練になっていく。 人間とは、特に男はそんな生き物だと思っている。 男として情け無い部分であると思うが、男として 無くしてはいけないところでもあると思う。
誠幻
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