詩-生人-

2009年06月11日(木) 暗い街

停電の起きた夜のように
暗い街

国道を車で走れば
冷たい風が車体を揺らす

何処にもいない人影を
彷徨いあぐねる視線

暗い街に落とされた
暗い街を味わった
私の倫理は暗く染まる

横断歩道の上を母の手を握り
子供が行く

目の前に示された規則に
安息を覚え

何処に居ても人影は
暗い街には居ない

暗い街に照らされる
電燈の明かりは
暗い街を味わった
私の希望の様だった

暗い街で落ちていく
暗い街に染まっていく
私の概念 胸を締め付ける


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沢野生人

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