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2005年06月24日(金) イカダ

そもそも僕が日焼けまでしてイカダを造ることになった理由は映像作品を撮るためだ。
腕と顔がひりひりする。



授業の課題でドキュメンタリーを撮ることになった。
グループで一つの作品を撮り、15分にまとめて提出。題材は自由。
焼酎を飲みながらの話し合いの結果「いかに自分の命を危険にさらすか」がテーマになった。グループは男4人だし、大学生でもなければ無茶はできない。
マンホールの中を探検するとか、3日ぐらいホームレスに混じるだとか色々な案を検討した結果、僕たちが行き着いたのは「イカダを造って利根川を海まで下ろう」だ。自分たちの体験をドキュメントとして提出する。壮大なスケール、自然との闘い。

土日の二日間を川を下るために用意した。海までたどり着けるかは全くわからない。ルートもわからない。
とりあえず僕らにはイカダが必要だった。4人が乗っても沈まないイカダ。イカダなんて当然造ったこともなく、不安でいっぱいだった。

アトリエからでっかい発泡スチロールをパクって、ゴミ捨て場から使えそうな木材を大量に拝借し、台車にのっけて河原まで運んだ。
太陽がさんさんとするなか、僕らはイカダを造り始めた。

廃材で土台を組み、発泡スチロールをくくりつけ、色々と試しながらイカダは完成した。少し味気ないけれど、僕ら4人の命を支える大事なイカダだ。
川へ浮かべて4人で乗った。沈まなかった。僕らのドキュメンタリーはこれで実行可能になった。嬉しかった。

オールを造り、浮き輪も買い、地図も買った。明日朝4時に集合という約束で、僕らは胸を躍らせながら解散した。


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