長いお別れ
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私は性的虐待を性的虐待だったと認識するまでに少し時間がかかった。 母親を早くに亡くし父親も入退院を繰り返していたからいつもスキンシップに飢えていた。 いいこいいこして欲しかった。ぎゅっと抱いてもらって自分は大切にされていると実感したかった。 だから何かがおかしいと思いながらも兄のしていることは愛情の一つだと思い込もうとしていた。 でも無理だった。学校に行けば保健の授業がある。そこで生理について学んだり赤ちゃんのできることを学んだりした。 そして自分のしている事はいけない事だと知った。いやらしい事だと。 そして自分はそれを知った自分は汚くて醜くて愛情もまやかしで誰からも愛されていない価値のない人間だと思った。 それは今もずっと引きずっている。優しくされると騙してるような気がする。 私は獣だもの。人間が越えちゃいけない一線を越えたケダモノだもの。 ここのところ落ち着いていたのに今朝目が覚めてほとんどの時間を風呂場で過ごした。 洗っても洗っても落ちない汚れ。もしも兄が死んでも一生消えないのかも知れない。 私自身が永遠の眠りにつくまで消えないのかもしれない。 こんなこと早く忘れてしまえばいいのに。 どうしても消えない記憶。歪んでいても愛だったから? それにしがみつくようにして生きてどうなるの? 相手は知らないって言ってるんだよ。本気で忘れたのかどうかは別にして。 そんな事実はないって。自分の顔を良く見てみろって。 そんな顔に欲情するわけがないって。誰もが兄の意見を正しいと言う。 笑いながら私を嘘つきと言う。嘘つきなんだろうかなにもかも私の嘘か。 もうわからないよ。自分を大切にするという事が解らなくなってしまうよ。
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