2005年02月03日(木) |
Yoshi『もっと、生きたい・・・』 |
『Deep Love』の作者Yoshiが同時期にやはりケータイで連載していた作品だそうです。
生徒が持ってきてくれて借りたのですが、 「ちょっとえぐかったりするよ」 「ちょー怖かったー」 などという前評判。 自分では絶対手に取らないタイプの本なのですが、それも、紹介してもらって本を読む醍醐味です。
さて、読み始めてみると、どんどんと物語りは進んで、ぐいぐいと読ませます。 流れに身を任せてトリップしているような感じだけど、でも、読んでいる自分の感情とかをすごく冷静に見つめている自分の存在が確実にあって、本当に本の世界にはまり込んだ状態にはなれませんでした。 だから、えぐい表現も、グロイ描写も、身に迫る感じはなく、本の中の作り事の世界で起こっているフィクションの出来事という感じ。 ふーん。と。
でも、Yoshi作品がものすごく若者に受け入れられるのは、そこにきっと彼女たちのリアリティがあるからなのでしょう。
携帯電話であるメールを見ると、体の一部が切断される。 あるホームページにアクセスすると人格が豹変して人殺しをしてしまう。
などなど、荒唐無稽とも思えるような出来事の中、どこか現実の断片が重なる部分があるのでしょう。 だから恐怖し、おののき、共感し、人に勧めるのでしょう。
うちの中学校でも多くの子がYoshi作品を読んでいます。 私はこの本を読んで、この物語にリアリティを感じている子が多くいるということの意味を考えさせられました。
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