2005年09月21日(水) |
あの頃の自分に戻りたくて |
呼び出し音2回であっけなくあの人とつながった。 携帯から削除した電話番号だったけど、名簿を見れば載っていることなんか百も承知なんだ。
昨日、学校でふとした瞬間にどうしようもなく自分の存在が虚しくて仕方なくなったんだ。 声が聞きたくなったんだ。 ただ、あの人と電話で話をするということだけを欲した。
あの人にまた好きだなんて言う気持ちなんてこれっぽちもなく、約束したいこともない。 近況を知りたいわけでもない。
ただ、あの人と電話で話したかった。 そうすれば、少し救われる気がした。
ちょっとずつ歯車がくるって、磨耗して、たどりついた今の自分。 この自分を認めたくないし、どうすることもできない私。 あの頃の私はすべてに前向きにひたむきで、赤面ものの恥知らずだったけど、今思うとそれすらも失ってみれば輝いて思える。
あの人と話をすればあのころの自分にちょっとは近づけるような気がしたんだよ。
「今、仕事が終わって吉野家で晩御飯食べてたところ。」 タイムラグもあれやこれやも、なんにも感じさせない空気。 まるで昨日会ったみたいだね。 それはあの人のポーズだって知っているよ。私へのドアを開いてくれた証。 半年以上の空白期間でまたリセットできたというわけだね。 わかったよ。この距離感を保つことが大事なんだよね。
私は共通の知り合いに何年かぶりで会ったという話をした。 そして電話してみた、という口実。 この上なく自然でしょ? ゆっくり話しても5分で話題は尽きた。 「さて、じゃあ・・・またね」 「ほんとにそのことで電話してきたの?」 「うん。そうだよ。」
暗くてめんどくさい私の内面の話なんかしてけむたがられるのはいやなんです。 電話を引き伸ばして、近づこうとしていると思ったら、あなたはまた離れていってしまうでしょ。 「じゃあね」 「うん。・・・じゃあ、またどこかで会う日まで。」
いつか私がだめになった時、また電話させてほしいの。 私との間にもはや未来はないかもしれないけれど、過去を懐かしむことは許して欲しいの。 あの頃の自分を思い出すために。
|