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みんみん



 子供の領分

Kのこと。

子供どうし一緒に遊ぶということは、まだ、できない。何かやりとりらしいことをするのは。
でも、自分と近いらしい(大きさが?生活歴が?)存在があることを認識している。
気になるし、時々大いに働きかけてもいる。

某所(仮に、クラブKと呼ぶ)にて。
# 「クラブK」の「K」は、Kではなく、
  後述「K先生」のKである(ややこしい)。
  まあ、未就園児向け児童館というか。

ひとしきり遊んだ後で、「おねえさんたち」(未就園児+小学生)がテーブルのまわりでおままごと風な遊びをしているのが気になった。すごく気になるんだけれどダイレクトに向かうのはちょっとはずかしい。
そのうち、おねえさんたちは少し離れたところで別の遊びをはじめた。
Kはおもむろにテーブルの方にはいはいして行って、たべもの(おもちゃの)や食器(同じく)で遊びはじめた。おねえさんたちは後ろで仲良く遊んでいる。私は離れたところでK先生や他のお母さん方と話している。
Kも遊んでいる。ひとりで遊んでいる。
ひとりなんだけど、大人の中ではなく、子供たちの気配と空気の中で遊んでいる、と思う。「母(私)と子(K)」ではなく、「子供の集まりの一員としてのK」を感ずる。

おねえさんたちはまた別の一角で遊ぶ。
今度はペットボトルで作ったマラカスを振りながら歌っている。とてもにぎやかで、カラフルな声の重なりだ。
ほとんど反対側の一角にKはひとりでいて、つかまり立ちをしながらしきりにおねえさんたちの「音楽」を聴いている。踊る。マラカスと歌声は遠隔操作のようにはたらく。
直接まぜてもらっちゃえばいいのに、と思うのだが(Kは人なつっこい方だ)、まあ、これから勉強してゆくことはいろいろあるわけだ。
ひとりのおねえさんが、Kの方を見て、にっこり笑ってくれた。
とたんにうれしくて、でも恥ずかしくて、後ろをむいてしまう。
でもうれしいんだな。

時間が来て、おねえさんたちが帰る。
部屋のドアが開いた。
おねえさんたちの後をどんどんハイハイで追いかけていく。

午後の短い(と、大人には思える)時間の中での、成長というもの。

2007年10月10日(水)
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