|
|
■■■
■■
■
さあ、文字を記そう。いかに難解な配合でも、いかに優しい数列でも。私はタイプする。後ずさりと、にじり寄りの連続。いくばくかの表情がワードの文字列に反射する。千字の原稿。静かな空調の音。灰皿の吸いさしとセブンスター。燃えあぶれた煙草が、かすかに香る。さあ、文字を記そう。人生という膨大な時間を切り取って。何も生まないという結果に目をつむって。まるで夢を見るように。まるで、夢を語るように。指先と、頭脳の交錯。思考と現実が混じりあうまで、世界と世界をつなぐ道に佇み、見る。触る。嗅ぐ。耳を澄ます。 そして、タイプする。
2008年12月12日(金)
|
|
|