まだ親元で暮らしていた子供の頃。
除夜の鐘と言えば、大晦日。 “行く年来る年”で映し出される 雪のしんしんと降り積む各地の神社仏閣を こたつで温もりながら、しんみりと見守っている時。
時計が12時を打った瞬間に ご〜〜〜〜ん… 新年の幕開けを告げる、ひと衝き目の鐘の音が 漆黒の闇を縫って荘厳に鳴り渡る。
この年になるまで、それは日本全国そうだと思っていた。
ところが先日、熱海で迎えた大晦日。 恒例の“行く年来る年”を見ていて、ふと、重大なことに気付いた。 お寺に初詣に訪れた人々が、交互に撞木を取って鐘を衝いている。
あれ?これは勿論中継よね、録画じゃないよね? なんでこんな早くから衝いたりしてるの?
『何言ってるの、12時に108つ目が鳴り終わるように衝くんでしょ』
はっ?そうなの?(+_+) 確かうちの方では違… ったと思うんですけど??
『四国では旧年の煩悩を新年に持ち越すのか?』
そう言われてみれば。年が明けた瞬間から一つずつ煩悩を衝き出し 全部鳴り止むのは、1時にさしかかる頃だったと記憶している。 除夜の鐘の第一声に地域格差があるとは知らなかった。
いやもしかして、うちの地元は首都圏と時差でもあるのだろうか?
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