会社帰り、日比谷シャンテで映画を観てきた。 上映期間中に絶対スクリーンで観ようと思っていた作品。 水曜日はレディースデーで、通常1,800円のチケットが1,000円になる。
『白バラの祈り ―ゾフィー・ショル、最期の日々』
ヒトラーに抗するミュンヒェンの若者グループ“白ばら”については 学生時代に関連書籍を何冊か買って読み、今も本棚にある。 その当時も、うら若い乙女(――賢そうな横顔のゾフィー) 彼女の斬首という事実がショッキングであった。
この映画での見どころは、少女と審問官とのバトル。 逮捕から処刑までの、僅か5日間の闘いが、淡々と語られる。
本編中、何度か青空を眩しげに仰ぎ見るゾフィー。 一番先に断頭台へひかれて行く際も、兄たちに 「太陽は輝き続ける」という言葉を残す。
別に泣かされることもあるまいと思っていたのだが、ダメだった。 一歩も退かない誇り高いゾフィーの弁舌、理知と勇気に打たれ 喉にぐっとこみ上げてくるのを必死で堪えていたのに 彼女の両親が登場したところで涙腺が決壊してしまった。 スクリーンから目を離せなかったので、ハンカチを取り出せず 頬と首を伝って涙があとからあとから胸元に流れ込み、冷たかった。
しかし、観客がしーんと静まり返る中、ま後ろの席で始終ボソボソ呟き 時々耳障りな笑い声をたてていたおやじは一体何だったんだろうなぁ…。
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