睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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『笙』 あの日、雪さんは私たち兄弟の前にゆっくりと空から降りてきました。 まさに雪が降ってくる速度と同じで、でも近寄ってみると息をされているのでそのままにしては置けないということになり三叉路の宿へお連れしたというわけです。三叉路の宿へいらっしゃる方たちは普通一本道を歩いて私たちの前を通って宿へと行かれるのです。なので私たちは雪さんは特別なんだと思っておりました。
『猫の花』 雪さんって言うんですかぁ?はぁ あ、六地蔵の坊ちゃんたちが付けたんですかぁ雪さん・・いいずらいなぁ。雪さんは六地蔵の坊ちゃんたちが連れていらっしゃったんですよぉ。末の坊ちゃんが空から降ってきたとかいってねぇ。旦那さんがその日は朝から離れの用意をするようおっしゃっていたんですけどね。離れをご用意する日は旦那さんの大事なお客様がくる日なんで・・・「お待ちしてたんですよ」と離れへ板長に雪さんを運ばせたので旦那さんの大切なお客様なんだと思ってましたぁ。露天好きで毎日、それこそ一日に何回もいらしてましたよぉ
『三叉路の宿の主人』 その話はこの旅が終わってからゆっくりお時間をお取りしたほうがよいでしょう
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