2003年05月02日(金)の日記、『に』の続きです。
私は弱者を甚振る感覚を味わってしまった。 私は好い気になった。
あの時姉は泣きながら懇願してきた。 私に懇願してきた。
「自分で死なれへん!深海が殺して!」
姉は、私の言葉、行動で深く取り乱し、そして多分、もう少しで、
…死んでくれるんじゃないか、と思った。
姉の死ぬという言動に対して、笑みが、零れた。 嬉しい、それは私にとってとても気持ちの良い環境。 嬉しい、嬉しい。
また、姉が病院から戻ってきた時、私は再び紐を持って姉に会いに行った。 前の時の、姉の取り乱す様を思い浮かべながら。
「紐、あげる。死んでよ。」
またきっと取り乱す。好い気味。そして今度こそ本当に死んでよ。 少し、心が沸き立っていた。 こんな事で悦びを感じる自分に、なんの疑問も持っていなかった。 姉さえいなければ。 その思いだけが支配していた。
「はぁ、アンタ何言うてるん? 阿呆ちゃう、死ぬわけないやん。」
返ってきた反応は、私の待っていたものとは全く別物。
………あれ?
心の中で、酷く動揺した。 前に見た姉と、別人になってる。 普通の状態の姉になってる。 動揺した心を隠すために、咄嗟に冷静な振りをして言葉を続けた。
「自分で死なれへんねやったら殺したる。」
「アンタそれ殺人やで。」
「そうやな、でも精神異常者の姉に耐え切れず、とか涙ながらに語ったら、情状酌量の余地は十分にあるし。」
「そうかも知れんけどな、犯罪者には変わりないわ。 ちょっとお婆ちゃん、この子おかしいわ。」
むか。
「頭おかしい人におかしいなんて言われたくないわ。」
「もー良いって。どっか行って。 アンタに付き合ってるほど暇やないねん。」
姉は私を無視して歩き出した。 その時の姉は何故かスーツ姿。 片手にケータイを持って、メイクもしていた。
「どこ行くん、早よ死んでや。」
「この子ヤバイって、警察呼ぶで。」
手に持っていた折り畳みのケータイを開く姉。
取り上げて、真っ二つに折った。
「アンタ何するん!信じられへん弁償してや!」
「これから死ぬ人に必要ないやろ。」
「ふざけんな!」
そこに祖母と母が止めに入ってきた。 「ちょっと○○(姉の名)! 深海に構ってんと早よ行き!」 姉と私を遠ざけようとしている。 でも、姉は聞き入れずに私に向かってきた。
掴み合った。 祖母と母がまた止めようとしていたけれど、私には姉しか目に入っていない。 姉の髪を束で掴んだ。 必死に頭を引く姉。
「離せや! お婆ちゃん警察呼んで! 殺されるって!!」
私は離さない。離さない。離さない。
思いっきり頭を引いた姉、反動で勢いよく後ろに2mほどつんのめって、派手に尻餅をついた。 手には姉の髪がぐるぐると絡まって残っていた。
「ははは、どんくさ。」
笑ってやった。見下してやった。 アンタは下等だ。 嫌い、憎い、なんでそんな所から私を見上げているの。
「信じられへん、お婆ちゃん警察呼んでって!」
祖母は躊躇っていた。 電話に向かう事はせず、私を宥めていた。
立ち上がった姉に、叩かれた。 3倍、叩き返した。
「アンタ暴力しかでけへんの、頭悪いなぁ! もっと頭使いーや!」
ふん。 じゃ、お望み通り。
思い切り頭突きを噛ましてやった。 姉と掴み合いながらも、飛び切りのユーモアを演出してやった。
「った…阿呆やろ! 意味違うって!」
「うん、知ってる。 面白いやろ?」
「最悪…!」
と、視界にガラス戸が見えた。 傍には止める母。
良し。
姉の髪を掴んで、ガラス戸に向かって引いた。
それも演出だ。 ガラス戸に頭をぶつけられそうになる恐怖を、姉に与えるための、演出。
案の定、既の事で母が止めてくれたので、私も血を見ないで済んだ。 大成功。
また、笑ってやった。 見下して、笑ってやった。
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