ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




10秒ルール
2003年05月20日(火)
夫婦やカップルには千差万別の関係性があると思います。その特殊さの引力こそが「恋」であり、その関係を持続する事が「愛」なのかな?と思ったりします。
そんな何億ぶんの一かの私たち(隊長と私)の特殊性を敢えて露呈するならば、やはりそれは1日ごとに蠢くそれぞれの心の襞の駆け引きの中にあるとしか言いようがありません。駆け引きといっても、それはスリリングで刹那的な種類のものではなく、静かに日々の正しい距離を調律する、そんな無為で地道な作業があるだけです。
日常の生活においては、細かい性格の隊長、大雑把な私・・・というように正反対の私たちですが、心の機微だとか腹の中に溜めている中身においては、時々ゾッとするくらい酷似しているようです。
私たちはほとんど喧嘩も口論もしません。それは、2人ともつぶさに相手の欲する事を先回りしようとするから。そして、もし、その疎通がうまくいかなかった時は静かに黙り込みます。「○○忘れてない?」「○○してよ」そうやって指摘してから動いてもらっても嬉しくないのです。
友人や仕事仲間にそれを求めるのは、どうしようもない我侭ですが、夫になら、妻になら、甘えられる。それが私たちの「甘え」のカタチです。「○○してよ」と口にする事こそで、私たちはストレスが溜まってしまうタイプなのかもしれません。
それでも、ごく稀に私がキレる事があります。(隊長はまだキレた事はないですね〜。年の功(笑)でガマンなり処理してるんだと思う。)付き合っっていた時から含めて2、3度ですが。
はじめてキレた時は、コントロールが効かないくらい怒り狂いました。キレてみて、分かった事は「こんな風に無闇にエネルギーを使って怒らなくても、この人はちゃんと分かる人なんだ。」という事。
2度目は、脳天までキーッ!!!ときてバクハツしそうになった瞬間に10秒数えました。その間、家を飛び出そうかと思いました。包丁を持ってきて腹を刺してやろうかと思いました。或いは、自分や物を滅茶苦茶に破壊してやろうかとも思いました。
でも、10秒後。私はその、どの暴力をも捨てて、隊長を抱き締めていました。赦す、という事はどんな破壊的な行動や暴力にも勝るのだと知ったのです。
隊長は、その怒りの感情や、私なりのの論理、すべてのコンセンサスをちゃんと理解してくれていました。怒り狂って醜態を晒しても、優しく抱き締めても、結果は私たちの場合同じなのです。
仲がいいだけ、気が合うだけでは、夫婦はやってられないです。黙々と自分の位置、感情を調律する事にお互い没頭する事は、孤独なようでいて、実は相手が存在しないとできない作業だと最近はつくづく感じています。たぶん・・・私たちが求める夫婦像は、私たちだけの究極の人間関係なのかもしれません。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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