華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜 | ||
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2005年11月05日(土) 秘密営業。 〜もう来ないで〜 |
<前号より続く> 帰りの車中。 慣れた道を運転しながら、綾乃の一言を考えていた。 「自分が、本当に壊れそうになるから・・・」 秘密営業というキーワード。 そういえば・・・一体、何が秘密なのか。 店に隠れて本番行為をやっている事か? しかしその店では他にも堂々と客から追加料金を取って内緒で股を開く、 手馴れた風俗嬢もいるという。 綾乃にとって、この仕事は何の意味があるのだろうか? 2週間後の日曜日。 綾乃の勤める時間帯に、その店に向かう。 「やあ、まだまだ暑いねぇ」 「こんにちは。今日は突然来たのね」 それまでも、何かとメールを交わす仲だったが、この日は突然入店した。 俺の思惑もあった。 「たまには良いでしょ?」 「慣れたお客さんだから、私は気楽だけどね」 いつも通り、マットに横たわった俺は綾乃のサービスを受ける。 「どう、彼とは?」 「・・・良い感じよ」 「幸せ?」 「どういう意味?」 「いや、もし幸せじゃなかったら俺に乗り換えないかなぁって」 「・・・考えようっかな?(笑)」 「本当?ならば俺、真剣に奪いとろうっかな?」 「こんな格好してて、よく言うわね」 全裸で俺自身を弄ぶ綾乃同様、俺もあられもない格好をしている。 「相変わらず、秘密営業は・・・?」 「もうしてないよ。したかったら、他の娘へ行ってね」 「他の娘には興味ないもん、俺は綾乃ちゃんだけ」 「男の言葉なんて信じないから」 「それって、彼に言ってる?」 「あまり詮索しないで・・・最近の平良さん怖い」 「そうか?」 「・・・もう私のプライベートには立ち入らないで」 「そんなつもりじゃないんだけど・・・」 「でも、何だか苛立っちゃう・・・」 しばしの沈黙が流れる。 俺の言葉も彼女の心を害しただろうが、それにしても厳しい態度だ。 綾乃は気が立っている様子だった。 「今日は何だかダメ・・・」 時間の終焉を知らせるベルがなった後。 俺は欲望を果たしていないかったが、それどころではない。 そそくさと着替えて、店から退散した。 退店後。 綾乃にメールを打った。 『気分悪くさせたみたいでゴメン。怒らせるつもりは無かったんだ。 また改めて店にお邪魔します。』 しばらく経った後、返事が来た。 『平良さんの質問は私の私生活に踏み込みすぎで困ります。 もうメールも止めましょう』 内容に驚いた俺は、すぐに打ち返した。 『そんなつもりじゃなかった。申し訳ないです。 メールは控えますが、お店には行ってもいい?』 間もなく返事が来た。 『もう来ないで。』 さらにメールを打ったが、それ以降メールは返ってこなかった。 綾乃が怒る理由が、俺には分からない。 しかし俺に対して拒絶反応を起こしている様子。 追いすがってもこじれるだけだろう。 俺は綾乃と距離を置く事にした。 それから、俺はそののぞき小屋にも近寄らなくなった。 それから1年近く経った、次の年の7月のとある日曜日。 こんな夢を見た。 白い肌。 華奢な肢体に豊かな乳房。 小振りの丸い尻。 俺の前戯で声を上げ、俺自身の律動に酔う。 ふとこちらに向けた顔。 しっかり覚えている。 綾乃だった。 俺は綾乃を抱いていた。 あの一件以来、携帯のアドレスも消した。 連絡も一切取り合っていないはずなのに。 寝覚めの悪い、夢だった。 まだあの店に勤めているのかな・・・ 営業時間に、俺は店に電話して尋ねてみた。 「綾乃さんでしたら、今日…久しぶりに出勤ですね」 俺はその日の夜、店に向かう事にした。 しかし気がはやる反面、どこか後ろめたい。 何より嫌われたのだから、店に行き指名するのは忍びない。 向こうからは姿が見えない、覗きコースで帰ってくればいい。 俺は客として振舞えば良いんだ… 車を運転する間、俺は独りで弱気な事ばかり考えていた。 しかし不思議と引き返す気にはなれなかった。 全ては好奇心が赴くままに、車を走らせる。 路上のパーキングメーターに300円をつぎ込み、例の店があるマンションへ歩く。 最上階に停まっていたエレベーターが降りてきた。 この僅かな時間さえ、以前はじれったかったはず。 不思議と今日は余裕がある。 ゆっくり降りてきたゴンドラに乗り、4階へ向かった。 店に入る。 改装したのか、幾分か明るくなった店内。 位置の変わった掲示板には、以前と全く同じ綾乃の写真。 俺は覗きコースを注文する。 待合室でしばらく準備の時間を潰した後、個室に入った。 マジックミラーの貼ってある、変わらない雰囲気。 俺は椅子に座った。 <以下次号> |
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