『ヘビゴンザレス(仮)の観察日記』

2002年05月07日(火) 嗚呼、勘違い


さっきから、ずっと一人でテレビを観ているヘビゴンザレス(仮)。
その画面を見ながら、いつものように感情も抑揚のないロボット声で何かを喋っている。

「ばかー。キムタク、ばかー。」

よく画面を覗いてみると、確かに木村拓哉が映っている。
ワイド・ショーがまた、"旬の男"みたいな特集を組んでいるらしい。

"やれやれよくやるなぁ"と思い、ヘビゴンザレス(仮)のほうに振り向くと、
まださっきと同じようなことを、一人、宙に向けて喋っている。
話し掛けても、私の声なんか全く届いてないといった様子で。





……なるほど。
どうやら、ヘビゴンザレス(仮)は、自分とキムタクのキャラがかぶっていると感じ、
自分の身に危険を感じているのらしい。
さっきから一人で何かを喋っているのも、そのせいだ。

ヘビゴンザレス(仮)がその独り言を辞めたとき、
彼(仮)は、またひとつ新たに単語を知ることになるだろう。
何故なら、"その思い込みは、大きな勘違いだ"と、私はハッキリスッパリ、
ヘビゴンザレス(仮)に言ってやるんだから。


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武者小路麗香 [MAIL] [HOMEPAGE]

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