あお日記

2002年12月04日(水)


 高校の頃から戦国時代について興味があり、いつかはそれを題材に文章を書いてみたいと漠然と考えていた。私が目をつけたのが関西方面に拠点を置くある戦国武将であった。そしてこの秋に連休を利用して取材がてら旅行に出かけた。

 どうやらこの頃の私は「変化」を求めていたようだ。長いこと進歩のない自分を変化させたい衝動だろうか。自分の気持ちに踏ん切りがつかないもどかしさだろうか。そういう意味でこの旅が私に「変化」をもたらしてくれると期待する向きがあった。


 旅好きなミルの話を参考にして計画を立てた。旅行とはいってもどこかに宿泊する意思などまるでない。気ままといえば体は良いが、ただ投げやりなだけである。
 使える小遣いはふんだんにあったのだが、昔から金を使うのは嫌いだったようだ(笑)。なので東京駅から出発する鈍行の大垣行きに乗車することにした。深夜前に出発するこの列車は同じような境遇の金のない大学生やらに人気があって、休祭日前はかなり前から順番待ちをしなければならないとミルに聞いた。まあ発車の3時間くらい前に着けばいいだろうと思いつつ、買って間もない緑色のブレザーを羽織って家を出た。
 案の定、ホームはすでに学生たちの荷物で占拠されている状態であった。その直後に自分の荷物を置いて落ち着こうと思ったのだが、心配性の私は結局そこから離れることが出来なかった。幸い列車の座席に座ることが出来たと思う。次の日の7時前には終点に着くだろう。堅い椅子の上、腕を組みながらうつむいて、その朝を待った。



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