あお日記

2002年12月12日(木) 温泉旅行


 ハマちゃんの世代もいよいよ受験シーズンへ突入した93年の2月あたりにミルの口から思いがけない提案があった。例によって電話マメな彼がハマちゃんと同級の電ちゃんと話した折にふと彼女がつぶやいた「温泉に行きたい」というフレーズに反応した結果だった。こういった彼のレスポンスの早さがどこから来るのか我々の仲間内での付き合い方を見ているととても想像できないのだった(笑)。

 それは唐突な話だった。いつもどおりミルを誘い出してブラブラと本屋やボウリングといったこれまたいつもどおりの休日を過ごし、馴染みになったファミレスに落ち着いた席上での話だったと思う。

「泊まりで温泉に行くって話があるんだけど」

と切り出す計画魔の彼の中ではすでにおおまかなビジョンが出来上がっていたことだろう。聞くと、ミルと電ちゃんでお互い一人を誘って近場の温泉宿に一泊で行きましょうということだったようだ。私には特に異論も無く、彼に一任して計画は進んでいくことになった。

 相変わらず我々はファミレスで長い時間話をして時間を過ごすイヤな客だった(笑)。ミルはなかなか博学であり私の知的好奇心に打って響く最も身近な存在だった。この頃から検討を始めた自家用車の購入にも彼との付き合いの影響が濃く出ていたように思う。私は私で、共感できる点は素直に受け入れるが「それは違う」と思う部分を受け流すのもまた上手だった。


 傾向は依然として鬱。心から笑うといった記憶はすでにあの夏に置き忘れて二度と手に入らないものだと思っていたし望んでもいなかった。その気持ちがより一層と思い出を美化して止まない。気持ちと共に停滞気味な人間関係で出来ることといえばたかが知れている。まあとりあえずは無事に電ちゃん世代の進路が決まって彼女らの高校卒業を迎えてからの話となる。



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