2006年12月20日(水) |
ハチミツとクローバー10巻 |
という事で今回はマンガネタ。 遅ればせながらというかついにハチクロの最終巻を買ってしまったので ある。 なんていうか、自分の気に入ったマンガとかって、ここで終わりって わかっちゃうと、その終わりが来るのをちょっとでも先延ばしにしたい って気になってしまうのである。
とはいいつつも、やっぱり年内にはけりをつけようという事で、 この前の日曜日、群馬に行ったついでに購入。 で、結果といえば、期待通り?に号泣しましたよ。 竹本とはぐの最後のシーンで。 しましたが何か?(電車内で涙ぐんで恥ずかしいので開き直ってる)
まあ、読む場所を間違えた、というのはある訳ですが、 この最終巻は、本当、最終回に向けての着陸態勢だったんだなあ、と しみじみ。
で、読み終わった余韻を楽しみながら、一言印象を書くとするならば、 このマンガって、ただ単に片想いの恋愛マンガなのではなく、その間の 成長っぷりを描いていたんだなあ、という事で。
この作品の登場人物って、皆がみんな、片想いをしている訳で。 ある人は才能に片想いをし、またある人々は、自分の方を振り向いて くれない誰かに片想いをして。 はぐにしたって、芸術の神様に片想いをし続けているといえる訳で。
でもね、この作品は、単なる片想いの切なさだけを描いているのでは ないと思うんだよね。 人が、本気で何かに打ち込んだり、誰かを好きになることが、人を 成長させるんだ、という当たり前の事かもしれない事がどんなに素敵な ことなのか、という事に気づかせてくれると思うのである。
その事が、若者たちを(森田でさえ)少しだけ大人にして、そして既に 大人になってしまった人たちには、青春スーツを再装着させたんだろう なあ、と思ったのだ。 そして彼らは物語が終わった後も、その片想いは(様々な形に姿を変えて も)、今も続いているんだろうなあ、なんて思ったり。
で、自分の事に振り返って考えてみると、自分がこの2年間、充実してた って感じるようになったきっかけの一つって、2年前にこの作品を読み 始めたっていう事もあるのかもしれないな、と思うのである。
2年前と、今の自分の一番の大きな違いって、何かに本気で取り組めば、 たとえ自分の望んだ結果が得られなかったとしても、期待以上の大切な 何かは、必ず自分の所に残る、という事を再び素直に信じられるように なった、というのが大きいかもしれない。
多分、それまでの自分って、自分が何かに本気になることに、ためらい というか、正直避けようと思っていた部分があったと思うんだけど、 今の自分って、自分が本気で何かに向かっていくことについて、ためら う気持ちがなくなった、というか。
逆にいえば、本気にならなきゃ手に入れられないものがあるとして、 その価値の重要さが、よくわかる気がするというか。
だから、今自分は仕事に限らず、様々なものに取り組んでいるけど、 それら一つ一つに取り組んでいるときは、全力にはなれなくても、 本気で取り組んでいたいな、と思うのである。
中途半端な気持ちでやるのは、何かもったいないな、という気がする というか。 そして、多分人間って、自分が大切だと思うものほど、労力を惜しまな いというか、手間ひまをかけられるんじゃないのかな、と思うのだ。
まあ、全てのものに本気になる必要はないと思うし、できないと思う んだけど、でも少なくとも一つ以上、小さな事でもいいから、何か 本気になれるものを持ち続けていたいな、と思うし。
だから多分、この先も自分にとってこの「ハチミツとクローバー」という 作品は、事あるごとにまた読み返して、自分の立ち位置を確認したく なる作品になるのかもしれない。
そして私自身は、「ポスト・ハチミツとクローバー」の境地になっていけ たらいいな、と思うのだ。 とりあえず来年また、魅力的な作品に出会えることを願いつつ。
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