蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




初参り
2004年01月02日(金)
初詣。
例によって朝もはよから地元の鎌倉八幡宮へ。
日中は恐ろしい混雑状況を呈するこの八幡様も、
朝8時とあればまだ並ばずに参拝できる。

早速急な階段を登り本殿へ。
財布から百円玉を取り出しかけて、
ふと五百円玉に切り替えた。
今まで神頼みは一切通用しないと切に実感してきたが、
この際藁でも何でも縋っておいて損はない。

乾坤一擲の賽銭を投擲。

真新しい五百円玉は、
鮮やかに賽銭箱をスルーすると、
本殿の階段を転がり床下へ消えていった。

不吉極まりない。



なんとなく忸怩たる思いを抱えつつ、
本年のおみくじを購入。

「吉」と出た。

悪くない。
が、

願事:遅いが叶う。
総評:千里万丈の道を往くにも、
   その歩幅と速度により得る物は異なる。
   焦らずじっと待つこと。
   待てばかならず願いは叶う。

なっ…。
ま、まだ待てと…!?
くっ…。

どうもすっきりしないが、
おみくじ用紙を折り畳んでしめ縄に結わい付ける。
隣でおみくじを結んでいたおじさんが、
変に力みすぎておみくじ用紙を破った。

不吉極まりない。

おじさんもブルーだろうが、
嫌な物を見せられたこっちまでブルーになってくる。



この際、せめてもの「神頼み」と、
今年は絵馬に願をかけてみた。
絵馬に願い事を書いている間、
隣で記入している参拝客が連れている巨大ピレネー犬が、
ずっと僕の膝裏の臭いを嗅いでいる。
犬は好きだが、今は勘弁してほしい。
貴様、何が嬉しくてそんなに尻尾を振っているのだ?
ひたすらピレネー犬に気を取られながらも、
切なる願いを込めて丁寧に記入。

「内定が出ますように」

全ての文字が異様に滲む。
不吉極まりない…。



「お賽銭、今年は奮発したんだから頼みますよ」

ふと振り返った社が、
何故か霞んで見えた27歳の新春。




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