蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




サクラ ハラキリ ドゲーザー OH!3点セットネー!
2004年01月11日(日)
先週の金曜日に、今年一発目の面接を受けに行ってきた。
初っ端からちょっとした失敗をやらかす。
あとはミスがミスを呼び、もうグズグズな展開へ。
面接中から早くも鬱になってしまい、
退室の際には、
「ありがとうございまた…」
と空気が抜けたようなお礼を言って帰ってきた。

出だしから鈍いスタートである。

不安が無いと言えば嘘になるが、
もうなんだか慣れたような気もする。
これでいいのか…。



と、言うことで、
例によって凹んだ時の映画頼みである。

映画館に着くなり目に飛び込んできたのは、
オレンジ色したクマノミの、愛らしい笑顔であった。
ふと、昨年の暮れに書店で立ち聞きしてしまった、
ある親子の会話が頭をよぎった。

「パパァ、
 『ファイティング・ニモ』、面白かったねぇ!!」
「んー、そうだなぁ。
 でもタカシ君、ちょっと声が大きいぞぉ(汗」

そうかそうか、
『ファイティング・ニモ』は面白かったか。
きっとランボーも真っ青な、
血湧き肉踊る大脱出作戦が展開されるに違いない。
血まみれになりながら歯を食いしばった、
ボロボロの小汚いクマノミなど見たくもないので、
『闘うニモ』はパス。

結局、『THE LAST SAMURAI』を観ることにした。
昨年の日記で、
「絶対に観ない」とあれだけ雄々しく宣言しただけに、
若干気は引けたが、「昨日の敵は今日の友」である。
何か履き違えている気がするのは気のせいだ。

では、いきなりではあるが、
感想をば。

1)噂どおり、
  見紛うことなきパームトゥリーが戦場に生えてました。
  日本というより、「インドシナ」という言葉が…
2)噂どおり、
  トムが渡辺謙に食われてました。
  彼が受賞したのは「助演男優賞」です。
3)噂どおり、
  戦国武将と帝国陸軍が戦ってました。
  時代錯誤も甚だしいです。

ひょっとしたら、
海外では「時代考証」という物は、
わりと適当に考えられているのかもしれない。
しかし、しかしだ。
せめてタイトルに「サムライ」の文字を入れるのだから、
「侍」の成り立ちぐらいは勉強して欲しかった。
どう見ても「勝元」の暮らし振りは、
戦国時代の地方領主である「大名」だ。
江戸時代の大名ではない。
しかし、そんな彼は何故か天皇に仕えていることになっている。
ということは、武家であり公家なのか?
それとも明治維新に大いに貢献した、
「おいどん」なのであろうか。
一体どんな生い立ちなのかが非常に気になる。

彼らにとって、
やはり「侍」はまだまだ、
ファンタジー世界の生き物なのかもしれない。
トムと監督はこの映画を作るに当り、
新渡戸稲造の「武士道」を熟読したそうだ。
しかし、それはあくまで「理論」であって、
「実践」でも「実際」でもない。
いくら「侍」とはいえ、
装備品に近代化を求める合理性は持ち合わせていた筈だ。
鉄砲に弓矢で挑むことが「武士道」だったら、
日本は明治を待たずに、
欧米諸国の植民地になっていたかもしれない。



と、ひとしきりイチャモンを付けたが、
これは「映画」だ。
しかも、日本人じゃない人が作った、
「日本の映画」だ。
この際細かい事は目を瞑るべきであろう。
今までの「日本」の描き方に比べれば、
数段マシになったと思う。
特に一生懸命日本の風土を再現しようとした「画」は、
見たこともないはずの光景なのに、
何故か郷愁を感じさせてくる綺麗な画であった。
「言いたいこと」がハッキリしていて、
それがすんなり受け入れられる映画というのは、
安心して見ることができる。
久しぶりに観て良かったと思える映画だった。


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余談。

となり座った中年サラリーメン。
泣きすぎ。
何もそこまで泣くこともなかろうに。
男じゃろ。
映画館で声出して泣くなや。



あと、アンタが当然のように両方使ってた肘掛。
片方は俺のデス。
この飲みかけのコーラは何処に置けば良いのですか…。




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