きまぐれがき
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2003年05月17日(土) クレマチス・モンタナ.....エニシダ......

ある朝、庭に出ておもわず歓声をあげてしまった。
クレマチス・モンタナが一斉に花開いたのだ。

  


数年前に、この苗木を見た時は20cmほどの高さしかなく、弱々しく
儚げで枯れ木のような姿をしていた。
これが、建物の外壁を覆い尽くすように一面に咲くクレマチスなの
だろうか、テラスの柱に絡んでくれるのだろうかと、少々疑わしい
気持ちで植えたのだった。

ところが5月になると、清楚で凛とした花をつけ、ツルは優雅に
どこまでも伸びていく。
さらに嬉しいことは、クレマチスに絡み合うように、だけど遠慮しがち
に咲いているジャスミンの小さな白い花が、甘い香りを放っているのだ。

まだ冷たい夜風にあたりながら帰宅して、この傍を通ると、室内から
もれるわずかな明かりに照らされ幻のように浮かびあがる白い花たち
と香りが私を迎えてくれる。

あり合せの針金を頼りなげに張っただけなのに、けなげに絡みついて
美しい花を咲かせてくれてありがと〜と、手をたたいてほめ讃えたい。



数本植えたうち、かろうじて1本だけが美しい花を咲かせたエニシダ。



須賀敦子のエッセイで、E.M.フォスターの原作をJ.アイヴォリーが監督
した『眺めのいい部屋』について少しだけ触れているのを読んでいたら、
こんな個所があった。

『小径の両側からおおいかぶさるように咲きこぼれる黄金のエニシダ』。
あれ?そうだったかしら?

主人公たちがトスカーナ地方の広々とした丘へピクニックに出かける
場面で、確かキリ・テ・カナワの歌声が流れていたなと、それだけしか
思い出せない。ビデオを早送りして見てみる。
ところがだいぶ画質が悪くなってしまった手持ちのビデオでは、
はっきりと確認することができなかった。

あ〜それにしても、丘を黄金色に染めるエニシダだなんて、
どんなに美しいことだろう。



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