きまぐれがき
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2ヶ月と少しの期間、ただ付き添っていただけとはいえ、ほとん どの時間を静かな病室で過していた身としては、人ごみは恐怖だ。 なのに、母の用事、自分の買い物などでどうしてもデパートに 行かなくてはならず、この土・日、久しぶりに梅田を歩き回っ てどっと疲れた。 年末のアメ横の雑踏が好きだったことなど今は昔、あの頃は ただただ若かったのね。
ひと休みに入ったお店で「ここ、前からあったかしら?」と、 荷物持ちでついて来てもらった小まめに訊いてみる。 『「運命の女」を見に来た時にも入ったじゃない』 そうだった?まったく思い出せない。 それに「運命の女」を見たって?それはいったい何時のことよ? バッグから手帳を出して過去へと頁をさかのぼるってみる。 ほ〜〜う 確かに記述があるけれど、う〜ん記憶からスポッと抜け落ちて しまっているなぁ。 疲れやすくなった我が身に愕然とするだけではなく、痴呆に気 づく師走かな、だなんてコワイ。
最近はもっぱらアップルパイばかり。 目移りして迷うことなど決してない、可愛げのない女。
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