きまぐれがき
目次|past|will
数日前のニュースで、ちょうどイラクの人質事件の行方を見守って いるさなかに、作家の鷺沢萠さんの訃報が伝えられた。
いつもメールを下さる方が、鷺沢萠さんのWeb上の日記を読んで いらっしゃることを知ってから、私も更新されるのを楽しみにして ちょこちょこと覗いていたのだが、ここのところ体調がすぐれないよう な記述に、それはひつこいお風邪のようで.....辛そうだなと思って いたところだった。
自死と知って、ほんとうに驚いた。 若くて知性に溢れ、そのうえ美しい方なのだから、どんな生き方だっ てできただろうに.....と思うのは、心の深みにあって取り除けない 苦しみを知らない者が、言う言葉なのだろうか。 4月9日を最後にもう更新されることのない日記、静に冥福を祈ろう。
玄関脇の金木犀に、鳥の巣があるのを見つけた。 テニスボールがやっと収まるほどの可愛らしい巣だ。 すでに巣立った後なのか雛の姿はなく、そういえばどこからか ピィピィ鳴き声が聴こえてきたことがあったけれど、まさか頻繁に 人が出入りするこんなところに巣があるなんて思わなかった。
今まで、我が家の樹木の中に見かけた鳩の巣のように 「こんな危なっかしい巣で子育てできるのかい?」と心配せずには いられないような雑な作りではなく、これから生まれる卵と、雛が孵っ てから巣立つまでを心に描いて、お父さん鳥とお母さん鳥が
「ここの枝が尖っていて危ないわ」 「ここに青いビニールの紐を編み込んだら、丈夫だし見栄えがいいかも」
などとピーピーさえずりながら作ったのかもしれないと思わせる とても丁寧にできた巣だった。 なんの鳥だったのだろう?
|