日々の泡

2001年08月30日(木) 秋の香り

久しぶりに通る道で、向こうのほうからいい匂いがしてくると思ったら。
だんだん近くなるその匂いは金木犀に似て、
もう少ししとやかな感じがしたのだけれど
傍まで行ってみると、果たして
薄い黄色と白の花を咲かせた木犀の大木に出会いました。
いい匂いだね、と言いながら子供と先を急いだけれど、
その日の帰りがけには激しい雨にあって、
駅の近くに自転車を置いてくるはめになりました。

翌日、自転車を取りに同じところを通ったら、
白と黄色の小花は、案の定ほとんど地面に打ちおとされて、
あたりの匂いはだいぶ弱まってしまっていました。
落ちた星屑みたいな花を子供が両手で掬って投げ上げると、
雨に洗われてなお残っていた花の香が、最後に明るく散りました。


金木犀より白っぽいから、銀木犀というのかと思ったけれど、
本当の銀木犀は真っ白な花で、あまり見られないらしいです。
白と黄の花をつけるのは薄黄木犀というのだそうで、
その匂いはやはり、金木犀のそれより若干明るいと思ったのですが、どうでしょう。


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