日々の泡

2005年10月05日(水) 長新太さんとゾウアザラシ

雑誌の表紙に「追悼」と書かれてあるのを見てどきりとしたのは
私はもしやこの訃報を見落としていたんだっけと
次には、いや知っていた、覚えはある、でもその時何かに取り紛れて
忘れてしまったんではないかと二度目のどきりが来ました。
少し後に亡くなった串田孫一の訃は覚えているのに
こんなことってあるだろうか自分のアタマは大丈夫かと
悲しく少しひんやりした思い。

絵本もまんがも挿絵も大好きでした。
20年くらい前、講演(この方のはかなり珍しい)
に行ってサインを貰ったこともありました。
作品について語るなんて不可能、とにかく見ろとしか言えません。

まんがの語り口調が東京っ子のおじいさんらしいノラクラぶりで。
よく出てくるゾウアザラシが、ちょっととぼけてて怖い神秘的な
御本人のポートレートに本当に似ていて。
あんな方はなかなか出現するものではないと思っています。

‐‐
そんなことを思っていた矢先に、
水族館の人気者だった象あざらしが
まだ若いのに急死したという悲しいニュースを聞きました。
実は数日前にその水族館に初めて行って、
件の「みなぞう君」の元気な姿を見てきたばかりだったのに。
彼のファンや、水族館の人たちはどんなにか悲しいことでしょう。

鼻を伸ばしたときのみなぞう君を見て、
長新太さんのまんがのゾウアザラシはリアルなんだと思ったのです。
お得意のポーズをとっているときのみなぞう君は
彼のテーマ曲?を歌ったというKONISHIKIさんに似ていました。
体だけでなく、目がとっても大きいところが。

‐‐
天国を信じない私ですが、今回は
長新太さんとみなぞう君が同じ天国へ行って
気が合ってたらうれしいな、と少しだけ思いました。


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