2005年10月09日(日) |
やなぎみわin原美術館 |
「砂女」になんか心ひかれて珍しく高輪まで行ってきました。
エレベーターガールは知っていたけど この人の作品をちゃんと見るのは初めて。 メルヘンのシリーズは「ほんとは怖い大人の童話」みたいで 女性週刊誌のグラビアで連載したら黒く笑えそうな感じ。 私は「野の白鳥」が好きかなあ…元のお話が魅力的なのかもですが。
‐‐ 少女と表裏であったり対立したりする老女は 「砂女」になると 荒野をゆく孤独で自由な魔女、少女を後継者とする魔女 といったイメージになってきます。 「エレンディラ」を動機にした作品とあって 特にショートフィルムは ラテンアメリカの小説や映画を思い出させました。
ずっと前にボリビアの映画でしたか 「地下の民」という作品を観たことがあって 仮面・放浪・孤独・運命などといった要素が 高地の澄んだ冷たい大気のなかで、観るものの心を掻きむしる そんな切なく激しい刺激があったのを覚えています。 よくわからないけどこれがラテンアメリカの 雰囲気の一つなのかなあ…と。
‐‐ 前夜に偶然NHKBSでトーベ・ヤンソンの特集を見たのですが 晩年を孤島の小さなコテージで過ごした作家と 最後に住み慣れた家を後に旅立ってしまうムーミン一家に これまた風邪をひきそうなくらい寂しく爽快なものを感じました。
やなぎみわの作品のように「女性」を主題としてはいないのだけど ここにも「魔女」が似合う世界があります。 ムーミンの国もラテンアメリカも、 風変わりで頑固で我が道をゆく魔女や妖精や それに近い人間たちが住んでいそうな土地でした。
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