罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
そこはまるで底の無い流砂の様で 生れ落ちた時から岸など望むべくも無く ただ如何に永く沈まずに居られるかだけ ほら 醜さが見えてきた ほら 賢しさが見えてきた 沈まずに居るのは困難で不可能だろう だが自ら沈むのも困難だろう 我々に求められるのは 如何に永く沈まずに居る事か 如何に沈んで逝く事か 意味を決めるのは自分自身で 価値を決めるのは他人達で 今日も答えを確信しかねて 迷い足掻き沈んで逝く 砂は今日も同じ速度で堕ちて逝く その上に残された証達を歪めながら
歪めながらでも遺して逝く 形を 想いを 意味が無ければ沈んでしまうから 価値が無ければ沈んでしまうから 自分を沈めぬ様に 他人に見つけて貰える様に
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