フルコース人形諸賢。
擦り減った自身を認めたことは有意義なのだろうか。 閉じた瞼にさえ其れは眩しくて更に掌で顔を覆う。 空白思考の主義主張から受け入れた何もかもを床に並べる。 擦り減った自身に詰め物を施して身の健やかなれと願う。 閉じた心にさえ其れは突き刺さり更に痛み故に縮こまる。 欠落思想の自画自賛からはみ出した幾許かを高く掲げる。 密やかな其の移ろいは微細な形状変化に依存してばかりだから。 腕の中で爆ぜて。 時に蜜月の退転を擦り付けた褐色と憩う。 逆巻く敬虔さの為す業なら繰り事は転々と残る。 足りる泰治へと注ぐ。 唯一意に刻むと誓えることの涼やかなれと。 高揚を事由に論を持たぬは其の機微を把握していないから。 腕に深く沁みて。 空に香煙の閑寂を漂わせた鈍色の意向。 飾る不甲斐無さも良薬を以て足元を固める。 臨む来示すら雪ぐ。 到る先の愁い。 |
零と壱の綴れ織。 | ||
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