収拾剥離にして前後不惑。
気づけば降り注いでいた造られたもの。 其れは或る一つの形式を繰り返していた。 まるでそうすることが唯一つの正解であるかのように。 寄せ集めた既製品と使い古された音。 気づけば思い出さぬまま濡れそぼった影。 其れが映る対象を手当たり次第に壊した。 まるでそうすることで自らを曖昧にするかのように。 出来合いの量産品と継ぎ接ぎした音。 いつまでも零れては注ぎ溢れては濯ぐ。 流れ落ちた一部は滞り淀み続けて。 此れだけは特別であるという皮相の深層とは。 思い込む自己陶酔若しくは純然たる空虚。 そして残るものは確認の踏み台の充当で。 千路も掌握すべく彩る脳裏には全てが煤けて留まる。 しとどに濡れたままの歪な理想の真相とは。 思い込みの創製翻って停止線の決壊。 其処に残るものは癒えぬ傷を挟んだ彼我で。 離愁の結露を抱く窓の向こうならば辿り着くこともあるから。 |
零と壱の綴れ織。 | ||
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